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顎関節の特徴
顎関節には、身体の他の部分の関節には見られないいくつかの特徴があります
- 顎関節は左右一対になっていて、その一対の関節が協調して動く
- スムーズな動きが出来るようにベアリングのような役目を果たす関節円板という弾力性のある繊維軟骨が介在している
- 顎には咬合(咬み合わせ)機能を持つ歯という独特な器官がある
- 他の関節は回転運動だけだが、顎関節は口を大きく開けるために回転運動と同時に前方滑走運動も行う(顎関節に指を当てて口を開いてみるとよく分かります)
この様に他の関節にはない複雑な動きをする顎関節は、神経や筋肉のコントロールでうまく調和を保ちながら動いているのですが、その調和がくずれるとさまざまな障害がでてきます。その中で、顎関節症に炎症などの明らかな病的変化がないのに、顎を動かすと顎関節や周囲の筋肉に痛みが生じたり、雑音がしたり、さらに関節が引っかかって口が開きにくくなったりする疾患を総称して顎関節症と呼んでいます。
顎関節症を引き起こす原因
顎関節症は、次の様な原因が複雑に影響しあって発症するといわれています
- 関節円板のズレ・損傷など顎関節部の異常
- 歯の咬合の異常
- 咀嚼筋の緊張・けいれんなどの異常
- 咀嚼筋を制御する神経構造の異常
- 歯軋り、食いしばり、頬杖などの習癖による顎関節の持続的な過重負荷
- 精神的ストレス、心理的要因による咀嚼筋の過度の緊張亢進
- その他、全身的な不調、異常による筋の緊張・けいれん
咬み合わせの異常とは
咬み合わせと全身の状態には関連性があるという説があり、その重要さがようやく指摘されるようになってきました。
咬み合わせの異常により身体にさまざまな症状がでることもあると、当院では考えています。
例えば下顎は頭蓋骨と関節と筋肉でつながって、重い頭部のバランスをとっています。
また、頭蓋は頚椎と連結し、それは腰椎と脊柱へとつながり、互いに深く影響しあっています。
そのため、顎や咬み合わせに異常があると、、、
顎のバランスがくずれ
頭や首の重心がズレ
背骨や骨盤に歪みが生じると思われます。腰痛や肩こりとの関連を指摘する説もあります。
逆に背骨や骨盤に歪みが生じると、頭部のバランスをくずして、咬み合わせがズレたり、歯が悪くなったりする可能性もあるのではないかと、当院は考えています。
どちらがズレても、どちらが歪んでも全身に影響する可能性があると思われます。
咬み合わせ治療
咬み合わせ・顎
治療 A.機能的で快適な咬み合わせの決定 B.スプリント(マウスピース)による診断と前処置
評価 咬合器上での歯型評価・筋電図・下顎運動測定器
治療の流れ
A.機械的に快適な咬み合わせの決定
リラックスした状態で スーッと吸い込んでいただく。
そこで、カチカチとタッピングして記録。
下顎の関節が後方へズレていて、そこの後部の組織が圧迫されて(~に近い)不快症状を起こしていることが多い。顎をソフトに前下方向へ引きよせる。
B.スプリントによる診断と治療
A.で決定した咬み合わせが実際に患者様の訴える症状に対して有効かどうか、あるいは快適かどうかを判断する目的と顎関節を安静に保つ目的で行う。
スプリントを入れたときは調子よいが、外すと、元の症状がでるということであれば咬み合わせのズレが原因。
C.狭義の咬み合わせの治療
かぶせや詰め物を歯に直接つけて、実際の咬み合わせを修正する治療を実施。矯正的な意味も含まれる。
これは、スプリント治療で改善が見られ、かつ、この治療を希望した患者様に限り行うもので、基準に足りない部分はかぶせ・詰め物を装着して補完し、過剰な部分は削って修正をする。
常に顎運動測定器や筋電図で評価しながら行う。
この様に、咬み合わせと全身の状態とは切り離せないという考えに基づくと歯を大きくさわったり、咬み合わせを治療したりするには、全身を視野に入れておくことが不可欠ということになります。
当院では各々に配慮し、全体的な評価をしながら治療するよう心がけています。